第34回作品展入賞者からのメッセージです / Message from a recipient of 34th Environmental Map Contest Award 2024
立命館守山高等学校の所 明梨さんから、第34回作品展の地理教育研究会理事長賞受賞作品「Let’s try ふなずしin 彦根 クセになる滋賀の郷土料理!」についてのメッセージが届きました。この作品は彦根市内のふなずしのお店を調査し、各店の場所、ふなずしの特徴(値段、量、製造者、オス・メス)、どのような人向けの店なのかなどをわかりやすくまとめています。

所さんはそのテーマをふくらませ、「ふなずしに興味を持っていただけるイベント企画」を考え、HKB(平和堂・キリン・ブリジストン)主催「彦根発 笑顔いっぱいプロジェクト」に応募し、本年度最優秀賞を受賞しました。そしてその結果、企画が具体化し、昨年作った地図も配布用に加工・印刷され、イベントの会場や観光協会などで配布されています。

そこで、それがどのようなイベント企画なのかを所さんに説明していただきました。以下、所さんからいただいたメッセージを紹介します。
イベント企画について
滋賀の郷土食であるふなずしは、「くさい」「食べにくそう」というマイナスイメージばかりが先行し、若い人や観光客などにとっては、ハードルの高い食品です。しかし、ふなずしに多く含まれる特有の乳酸菌には、整腸作用、免疫力アップ、NK細胞の活性化=がん予防、アレルギー症状の緩和など高い健康効果があるパワーフードであることは、あまり知られていません。
また、琵琶湖博物館や滋賀大学で行ったアンケ―トでは、滋賀県在住者であっても、ふなずしを食べたことがない人は、7割程度にものぼりました。その理由の多くは「食べる機会がない」というもので、その半数以上の人は、「機会があったら食べたい」と回答しました。 これらのことから、食べる機会を提供することが必要であると考えました。そうすることで、その健康・美容効果を広められ、人々の健康増進につなげ、ふなずしの知名度の向上と魅力の発信、ふなずしという郷土食の継承につなげられると考えました。
10月26日は、ふなずし試食会の第1回目ということで、滋賀大学彦根キャンパスの学園祭で行いました。試食会と言っても、「くさい・食べにくいもの」というイメージの食べ物に対する心理的ハードルを下げるために、ふなずしそのものをいきなり提供するのではなく、
第1段階 ふなずしの飯(漬け込みに使われるご飯)パウダーを使用したクッキー
第2段階 焼いたチーズピザに、ふなずしのペーストを少しのせたふなずしピザ
第3段階 これは、希望者のみなのですが、スプーンにのせた少しのふなずしペースト
という段階を踏んで提供させていただきました。
また、試食に合わせて、ふなずしクッキーとキリン様の午後の紅茶をセット販売させていただき、ふなずし販売店MAPやふなずし乳酸菌の健康効果についてのパンフレット配布も行いました。






イベントの感想
雨の中、屋外での出店ではありましたが、多くの方が立ち寄りくださり、大変嬉しく思いました。ふなずしを「一度食べてみたかった」と言ってくださる方、「初めて食べる」という方が多く、この試食会に興味を持ってくださったので、やりがいを感じられました。特に大学生は、第3段階のふなずしペーストにも挑戦してくださる方が多かったのですが、予想に反して、「おいしい」「いける」「お酒に合いそう」という方が多く、驚きました。初めて食べておいしいと感じる方は少ないだろうと予想していたので、ふなずしスライスではなく、ペーストだったことで、食べていただく量の調整がしやすく、筋っぽさも少なく食べやすかったのだろうと思いました。また、近畿地方出身者には、ふなずし認知度が高かったのですが、それ以外の出身者の認知度は低く、知ってもらうきっかけになったのも良かったです。ふなずしに出会っていただけた皆様には、今度は、好みの味のふなずしを見つけてもらうという次のステージに進んでもらえたら嬉しいです。
今後は、コンテストの表彰式が行われる会場でのふなずしクッキーの配布や、発酵食をテーマにしたイベントなどでの試食会が予定されているとのことです。
所さん、この度の受賞おめでとうございます。これをきっかけにふなずしの認知度が高まり、多くの人にとってふなずしが身近な食べ物になると良いですね!

