今年の環境地図作品展について / Regarding this year's Environmental Map Exhibition

審査委員長 氷見山幸夫(北海道教育大学名誉教授)

「私たちの身のまわりの環境地図作品展」は今年第35回目を迎えました。世界のどこからでも応募できる児童生徒(6~18歳程度)対象のイベントとして、旭川市を拠点に発展を続けています。今年は国内の小学校から71点(15校)、中学校から759点(29校)、高校から411点(19校)、海外の中学校から5点(2校)、計1246点(65校)の応募がありました。校内選考に漏れた作品のうち当研究会が点数を把握できたものを含む総取組数は1870点です。入選作品は101点で、内訳は優秀賞38点、優良賞32点、努力賞31点です。入選作品は11月15日(土)~23日(日)に旭川市科学館サイパルで展示され、表彰式は11月16日(日)にサイパルに隣接する旭川市市民活動交流センターCoCoDeで行われます。

この地図作品展は全国最大規模ですが、応募数だけでなく、賞種の多さにも特徴があります。優秀賞には国土交通省国土地理院長賞をはじめ、日本地理学会長賞、日本地図学会長賞、IGU-LUCC議長賞、IGU-CGE議長賞、IGU-CHR議長賞、北海道地理学会長賞、国立環境研究所理事長賞、北海道知事賞、旭川市長賞、旭川市教育長賞、北海道教育委員会教育長賞、日本地図センター理事長賞、地図調整技術協会長賞、国土地理協会会長賞、旭川市科学館長賞、地理教育研究会理事長賞、北海道教育大学長賞の18種類あります。それぞれの入選作品がなぜどの賞に選ばれたか考えつつ展示を見て回ると、きっと新しい気づきがあるでしょう。

今年の作品審査会で特に印象に残ったのは、地球温暖化やプラスチックごみなどの深刻な社会的問題に科学的手法で周到に取り組んだ作品が多く見られたことです。ただそのような研究内容に優れた作品の中には、地図が小さ過ぎたり地図表現がうまくいってないものも少なくないので、展示会の場などで他の人たちの作品を参考にして、スキルアップしてほしいと思います。一般的に日本の児童生徒の作品は色彩的に少し地味すぎる傾向があるように思われます。

旭川市科学館サイパルの展示会場には11月15日(土)と16日(日)の2日間、作品解説員がおりますので、是非お気軽にお声がけください。また作品展審査員による作品解説の時間が15日13:30~14:00 と16日12:00~12:30 にありますので、そちらもどうぞお見逃しなく。展示会場では第2回目(1992年)以降の作品募集ポスター34点が複数枚ずつ陳列されますので、欲しい方はそれらを自由にお持ち帰りください。また旭川シニア大学環境地図づくり講座の皆さんの作品の参考展示もあります。今年は昨年に続きマカオから中学校の生徒さん7名と先生1名が参加されます。環境地図を通して国際交流や世代間交流が広がることを期待しております。

なお、展示会場や作品解説、表彰式などの様子や入選作品は当研究会のホームページhttps://environmentalmap.org/ に後日掲載されますので、是非ご覧ください。それでは旭川市科学館サイパルでお待ちしております。

2025年11月